1つのことを知る
1つのことを知る。
それは長い間、喜びと共にとても満たされた気持ちになることでした。でも、ある時から、「1つのことを知る」経験を重ねれば重ねるほど、喜びよりも、知らないことの多さという激痛に、手も足もでない・・・。個人的になんだかそんな2015年でした。
いよいよ師走。京都では年末の風物詩「顔見世」が昨日から始まりました。最も歴史が古い京都南座の吉例顔見世興行に、人生初めて行ってまいります。
ご銘のついたお茶碗を生まれて初めていただきました。「瑞雲」。めでたいことの前兆として現れる雲。ということにたどり着くまで半日かかった私ですので、お贈りいただいたお気持ちや深いお心に対する感謝の表現は、まるでなっていなかったと思います。
これこそが「本当の京都のおもてなし」を勉強させていただく機会がありました。これまでの人生でたくさんの方から教えていただいた感動が、すべてその中にありました。おもてなしの心に業種の違いは関係ありません。こんなふうに仕事をしていきたい、と強く強く思いました。
手と足が動かない自分を認識しつつ、1つのことの前にまっすぐ立たせてもらえる幸せを噛みしめながら、2015年をしっかり締めくくりたいと思います。